バリの日々 〜ベモに乗る日々の巻き〜
踊りの稽古は食中毒で倒れた5日間以外は毎日行きました。
時々、友達にバイクの後ろに乗せてもらったりしてましたけど、基本的にはベモという相乗りバスでバパのお家まで行ってました。
バスって行ってもミニバンですかね〜
行く先によって水色とかオレンジとか色によってわけられていたりましますが、例外も多し。
ベモマスターへの道のりは険しい。
ベモってのはなかなか便利な乗り物で、乗りたいところで乗れるし降りたいところで『ストップ』と声をかければ降ろしてもらえる。
基本的には県道というか、大きな道しか走らないものなんだけど、ちょっとお金を払えば基本のルートを外れてお家まで走ってくれたりもする。
大きな荷物を持ってる人とか、おばぁとかは乗る時に「うり、あそこの角曲がってこう行ってああ行った所の家までお願いね〜」とかって交渉しているのをよく見かける。
車内に入り切らない大きな荷物は車の屋根にくくりつけて走るんだけど、その荷物の上げ下ろしや、すごい時はその荷物をお家の中まで運んであげたり、そんな事も運転手はやってる。
そうやって運転手がえっちらおっちら運んでるのを、乗客は助けもしないけど、文句も言わない。
自分は暑い日差しの中で働くのは嫌だけど、大変そうな人は助けるべきと思うのか、通りすがりの人に「運転手を手伝え〜」と声をかける。
声かけられた人も「なんでおれが??」と思ってるのか思わないのか、えっちらおっちら手伝いに加わる。
クーラーなんかもちろん付いてない暑い、暑いベモの中で、ヤシの葉で供物を入れる入れ物を編むおばさん、寝てる人、情報交換をしている商売人らしきおば〜達、皆暑い中、文句ひとつ言わず、走ってた時と同じ様に思い思いの事をやって運転席が帰ってくるのを待ってる。
事が終わると何もなかった様にベモはまた終点に向かって走り出す。
全然伝わらないかも〜だけど、こういう状況がものすごくバリっぽくて好きなんだ〜だからベモの乗るのが好きなんだよね〜
ウブドの市場の前から出発してプリアタン、マス、サカ、の村を越えてだいたい20分くらいでバトゥアンに着く。
サカという村は、ギャニャールやそこを越えてクルンクンとか海に近い地域方向と、島の中心の大都会(?)デンパサール方向への分岐点にあたるところで、うちは毎日、デンパサール方向へ向かうわけなので、ベモからギャニャール方向へ続く道を横目でぼ〜っと見る毎日。
視界からだんだん遠ざかる道を見てると、向こうに海ある感じがして沖縄を思い出して胸がざわざわしてた。
バリの様に比較的丸い地形の島だと海が見えない地域も当然あるわけだけど、沖縄本島の様に細長い島だとどこにいても海を感じる。
海が周辺は雲の形というか、たたずまい(?)というか、、、そういうのが陸から見える雲と違って海からわき上がってる様に見えるでしょ?
沖縄って雲がそういう雲だとうちは感じてるんです。
サカから見える遠くの雲もそう見えて、海を感じて沖縄を感じていたわけです。
http://www.bewishbali-tour.com/map_index.htm←詳しい位置関係を知りたい方クリックしてご覧なさい〜
さてバトゥアン村の入り口に着きました。
ベモを降りる時は降りたい所で「ストッパー」って言えばベモが止まる。
初めて乗った頃「ストッパーって何だろ??ストップって言いたいのに最後がパになってちゃってるのかな?」って思ってたんだけど、
「ストップ、バパ(止めてください、おじさん)」が縮まって「ストッパー」って事だったんだよね。
(バパは男性の敬称、ちなみに女性はイブ)
例え自分の声に運転手が気付かなくても誰かが大声で「すと〜〜〜〜〜〜〜っぱぁあああああああ」って言ってくれるので絶対に目的地で降りれます。
(うちの研究によりますと、バリ人が助け舟を出してくれる時、おじさんは「スットパ、ストッパ〜観光客が降りたがってるよ」と運転手に対して説明的な態度を取るが、おばさんは「止まれ!!」と鶴の一声で車を止めてしまう。して、その声はなぜか威嚇的でもある。)
ベモを降りたら運転手に運賃を払う。
観光客のうちはこの運賃を払う時、緊張の一瞬を迎えます。
バリに着いて最初にベモに乗る時はあらかじめツーリストインフォメーションに行くとか、宿の人に聞くとかしてだいたいの運賃を確認します。
今回はウブドバトゥアンは4000ルピア(だいたい70円)であると判明しましたが、これがまた客によって変動するんだよね〜
株じゃ〜ないんだからさ〜
一応初乗り料金は2000ルピアらしいんで、どんだけ乗っても絶対に2000ルピアは払わなくちゃ〜いけないはずなんだけど、「あこそこからここまで乗って1000ルピアしか払わないのかよ??」って人がいても、その人がいかにもお金がなさそうな人だと運転手も何も言わない。
つまり運転手が人をどう見るか?によって運賃が変わるわけです。(と思うが、、、、、、)
うちはどう見たって外国人。だからぼったくりの対象になるわけです。
運転手さんは観光客だからもっと払ってくれるかもって期待してる様なのだが、うちが4000ルピアしか払わないと一瞬がっくりしてる事は多々ある。
それはそれは「がびょ〜ん」って吹き出しが見えそうなくらい正直ながっくり具合だ。
だけど、たいていはうちが「有り難う〜」って言ったら「へ〜い」って去って行くもんなんだが
時々強者はいる。
「お前観光客だろ?金持ってるだろ?一万ルピアよこせ〜」って急に怒鳴りだしたり、ひどいおっさんになると車から降りて来ようとしたり、、、、
ひゃ〜〜〜怖い。
うちは「んでもさ〜昨日もおとといもこの値段で乗ってるよ!!これが普通の料金だもんね!!」と強気に出るけど、あんまりしつこいと1000ルピア4枚丸めて運転席に投げ込んで、すたこらさっさ〜〜〜と走って逃げる。
5000ルピアって言われた時は「まぁ1000ルピアくらいなら〜」と思って、5000ルピア紙幣を渡しもしましたが、一万ったらあ〜〜〜た、
6000ルピアもぼられちゃってるじゃ〜ありませんか。
安い屋台行ったら6000ルピアでナシチャンプールひとつ買えまっせ。
いくら日本人の方がバリ人よりお金持ってるったって、一食分もぼられてたまるか〜〜〜〜〜(怒)!!
そんな緊張の瞬間を毎日過ごしつつ稽古に行き、帰りは帰りで全然ウブド行きのベモが来ず、毎日屋台でおやつ食べながらベモの到来を待ってました。
うちのお気に入りは、『 Roti Jepang MORINAGA〜日本のパン モリナガ』ってやつ。
これはね〜JAROに問い合わせしてもいいんじゃ〜ないかってくらい何かが間違ってるんだけど、旨いっす。
これをホットオレンジか熱くて甘いお茶と一緒に頂くのがうちの至福でございます。
ここで、安いおやつを楽しみつつ、おっさんとおしゃべりを愉しみつつ、そして小銭を作り、ようやく来たベモに乗ってウブドへと帰る毎日なのでした。
つづく