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週刊「ナビィ、の部屋」第17号

 はいたい!!大阪ツアーのついでにかねてから行ってみたかった、大阪は茨木市にある、安藤忠雄設計による教会『光り教会』こと『春日丘教会』に行って来ました。
 教会内部の写真は公開出来ないので、外の写真とオルガン周辺の写真を載せました。

 ううう−ー−、教会内部は本当にもぉぉぉ素晴らしかった!!!

 お見せしたいわ−ー−ん!!でも「ダメ」って言われちゃったので、、

 コンクリート打っ放しの、ものすごくシンプルな作りの礼拝堂の、正面の壁を十字に切り抜いて、ガラスを入れてて、そこから光りが差し込むので、光りの十字架が現われるのです。

 信者さんが礼拝で使う備え付けの黒い木製のイスと机、(工事用の足場板を削って黒く塗ったモノを使用)それがますます「光りの十字架」を際立たせていました。

 礼拝堂はガラス張り重いドアーを開けて、でもドアーの前にはコンクリートの壁があります。

 だから、礼拝堂入ってすぐに十字架が見えるのではなく、壁を越えたら見える様になっていました。

 私が安藤忠雄という建築家を知ったのは、おととしのお正月、実家で何気なく観てたNHKBSのドキュメンタリー番組でした。

 安藤さんが今までに建築した建物を、依頼者の話しを交えて紹介していました。

 ひとつひとつの建築物について、どんな想いを込めたのか?という安藤さん本人のコメントもありました。

 その時の安藤さんの話しは、全部は覚えていないし、うろ覚えなんだけど、結局「心」についての話しだった様に思います。

 その安藤さんがあまりにもかっこいいので、しばらく「忠雄熱」にうなされてたんだけど、ここ最近はめっきり冷めてました。

 で、本屋さんで「光りの教会、安藤忠雄の現場」って本を見つけて買って読んだら、見事に再発!!!

 この本、ドキュメンタリー本なんだけど、書いてる人が建築家でライターで、って人だから、すごくおもしろくて、建築現場を見つけると「もしかして、あれはあの事だろうか?」とか、「これは、きっと木痕ってやつに違いない」とか、思わず立ち止まって見入ったりなんかして、、、

 ちょびっとだけ、建築についてもの知りになった、はず、、、そうだはず、、、

 で、やっぱりその本でも安藤忠雄氏はかっこよく、そして「心」を中心に「心」で仕事をしてた。

 教会は「祈る」という行為を集団で行う非日常の空間だと考えるから、重いドアーと壁で日常と非日常の境目を作ったし、でもその空間で人々が集い、手を合わせ、歌い、神を感じる、という行為を行うことでしか、その空間は「教会」には成り得ない。

 つまり、人の心が、その建物を教会にすると考えたから、豪華な装飾は必要なく、そぎ落とされた「精神」を表わしてるかの様な建築、内装にこだわっていた。

 この本を読んで実際訪れてみると、いちいち納得のいく事ばっかりだった。

 それはすごい事ですよ。おこがましいけど、同じ「作る人間」として思いますが、心の中の事を自分も依頼者も納得の行く形に作り上げて、しかも、たった一度本を読んだだけの人間にも納得させる説得力。言葉もなんにもありゃーしない、あるのは建物だけです。すごいです。

 でも、人が集ってこそ、安藤忠雄さんの作品「光りの教会」になるんだな、と思うと礼拝に参加したくなりました。本人も教会関係者も「そうして欲しい」とコメントを書いてました。

 見学に来てた若き建築家さんと、十字架の前で写真の撮り合いっこをして、少し話しをして、「忠雄の様なかっこいい大人になりましょう」と誓ってお別れしたのでした。

 光りの教会『茨木春日丘教会』 http://www.asahi-net.or.jp/~nv3n-krkm/


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