週刊「ナビィ、の部屋」第45号
これが、わたしの幸せ
少しずつ暖かい日も増えて、春が近付いてるのを感じるこの頃。
庭に植えたチューリップの球根もひとつだけ芽を出したよ。
『前を向いて歩こう』は本当に偶然生まれた歌で、確か湯島聖堂でのライブだったと思うけど、『上を向いて歩こう』歌ってたら、ふっと出て来て、そのまま歌い出したら自分にも聴いてる人にも大ウケで、調子に乗って今だ歌い続けてまス。
昔、精神障害者を家族に持つ人達の『家族会』の集りで歌った時、この歌を聴いた女性が
「どうして、わたしの子供だけこんな風に生まれてしまったのか?と思うと哀しくてやり切れなくて、友達がうらやましくて、誰を恨んだらいいのか?と思ってばっかりだったけど、泣いて、泣いて、泣くだけ泣いたらすっきりして、『これを受け止めて生きるしかない』って思ったのよね〜。
泣いて、あがいて、もがくだけもがいたら踏ん切りついて、やるべき事をやる力が涌いてくるものだ、って分かった。
あの頃は『泣いてもいいじゃないか』って言ってくれる人は、わたしの回りにはいなかったけど、今度はわたしが誰かに『泣いてもいいんだよ』って言ってあげればいいんだ、って歌を聴いて思ったの」って言ってた。
最近その時の事をやけに思い出すんだ。
時々忘れてしまうけど、『幸せは空の上にはない、幸せは胸の中に』
その通りやさ。
あんなええ加減に生まれた、偶然生まれた歌詞だけど、真理やさ。
なぁんてまた自画自賛????
20代の頃は何が幸せかって事は全然分からなかったし、誰もがド肝抜くような幸せを手に入れたい!!なんて訳の分からない欲望を持ってたんだけど、自分と近しい人達と仲良く、楽しく、「ここは安全で平和で、ここちいい」と、こころが感じられる様な、そんな関係、空間があるって事が、幸せなんだって思う様になったよ。
様々なつらかった事も哀しかった事も、自分自身を知るための勉強だったと思う。
『生きてるだけで幸せ』なんて、そんな事思える程人間でっかくないし、なんせ、特技は被害妄想だから、もしかしたら一生『生きてるだけで幸せなの〜』なんて、のほほんとした気持ちや安定の中に生きられないのかもしれない。
だから『幸せは胸の中に』って事を忘れてしまう時もあるけれど、「これが、わたしの幸せ」って分かってる事を大切にして生きていたいと思うのです。