週刊「ナビィ、の部屋」第42号
いざ!!山形へ!!
10月になって、久米宏のニュースステーションのテーマソングが、なんでか分からんけど、U2のうたになってて、しかもこのうた、かって寿[kotobuki]が4人のバンド編成だった頃、コピーして練習してたのよねぇ、、、、
今でもソラで歌えるよ、タイトル忘れてるのに、、、、、
そんな話しはともかく。
2年の一度、山形県、山形市内にて国際ドキュメンタリー映画祭が開催されているのを御存じでせふか?
今年は沖縄特集って事で、行って参りました、山形へ。
10月10日〜16日までの、約一週間の開催だったけど、ライブがあったのでうちは後半の3日間だけしか行けなかった。
毎日、朝10時から22時頃まで、市内中の劇場、公民館など6ケ所で面白そうな映画が上映されてて、来場者のみなさま、何を観るか、毎朝悩んでしまうらしいんだけど、うちは沖縄関係をメインに、って決めてたから「国際映画祭」だのに、海外からの参加作品のほとんどを見逃してしまった。
それは、残念だったけど、負け惜しみでもなんでもなく、沖縄関係の映像がすべて「観れて良かった〜〜〜〜」と思うものばっかりだったから、いいのさ〜
残念だったのはライブがあって山形に入れず、かなり貴重な、して、とっても観たかった『柳宗悦』のフィルムが観れなかった事と、「夢幻琉球つるヘンリー」の主演してる大城美佐子さんのライブがあったんだけど、観れなかった事だなぁ、、、
写真家、比嘉豊光氏の宮古島、西原のナナムイの神事を4年の歳月をかけて撮ったもの、神謡編、神事編の、2つで4時間を越える作品が一番面白かった。
うちは、この神事を撮った写真集『光るナナムイの森』(比嘉豊光著 風土社発行)を持っていて、かなり興味深く読んでいたので、それが動画で観れるなんて!!
と、観る前からかなり、コ−フン状態。
やしが、、、、
神謡編は、作者自ら、「気持よくなって眠くなると思います。どうぞ眠って下さい」って言ってた通り、延々続くここち良い唄、うた、謡に、かなりとろ〜〜〜〜〜り、、、
ニーブイカーブイ、チルダイすっさー、いい気持ち。
うちが思うに、琉球弧の神謡は、八重山も沖縄も何となく、似た様なフレーズやメロディーの展開があるように感じるし、やっぱり民謡とは違う、神謡は「神謡」っていうジャンルに属する、って気がするんだけど、
ナナムイのうたはかなり独特で、宮古の民謡に近い感じがあって、なんていうかもちろん神々しい感じはあるんだけど、すごくポップで馴染み深い感じがあった。
でも比嘉さんが言うには、宮古が独特なんじゃーなくて西原が独特なんだそうだ。
神事編は、年間40回を越える神事を撮り編集したもので、46才〜55才までの『ナナムイヌンマ』と呼ばれる、村の女性から選ばれた神女達の表情がものすごくリアルに写されていた。
神事のはじまりの映像では、彼女たちの表情は笑ってはいるものの、どこか固い感じがあるのだけど、神事のあと、それこそ三日間に渡る徹夜続きの拝みの後であっても驚く程晴れやかで、若返ってるというか、ものすごくかわいらしくなってるのだ。
そして、神事編もとにかく、唄、うた、謡。
ウタキを回る度に、円になり、列をなし、手をつなぎ、歌い踊るナナムイヌンマは本当に愛らしい。
一度ナナムイヌンマになると、その仕事は10年間やめる事はできない。
年間40を越える神事の統べてに参加するとなると、家事や家庭の事はおろそかになり、もちろん自分の時間もなくなる。
それは沖縄の他の島も同じで、この時代、神女になる人も減って、その結果祭りや神事自体が継承されなくなった島や祭りもあるらしい。
この西原や久高の様な島の方が今となっては貴重なのだろう。
ナナムイヌンマの笑い、歌い踊る姿や、なにかしら誇らしげな表情は、本当に感動的だった。
10年の務めが終わる頃には、ナナムイヌンマは、背中に羽根が生えた様になるそうだ。
団体に属するとか、そういう事ではなく、神にふれる行為や祈る事や、信仰を持つと言う事は、生きる上で必要な事なのかもしれないなぁ、、と改めて思った。
現在は作家としても活躍されている森口轄さんが日本テレビのディレクター時代に制作し放映された、沖縄本土復帰を問う「沖縄の十八才」ほか4つの作品や、琉球朝日放送のディレクター土江真樹子さんの製作した作品や、金城哲夫脚本の『ウルトラマン7〜ノンマルトの使者』など、映画以外にテレビ映像の上映も沢山あったよ。
ウルトラマンはともかく、他のテレビ作品は中々観れる機会はないと思うので貴重だったと思う。
他には、高嶺剛監督の全作品の上映や『パイナップルツアーズ』などのオキナワンムービーの上映、ブラジルの沖縄3世がブラジルのうちなんちゅを撮った『Hi-ya-sasa Haiya』などなど、、、、、
こうやって観てみると、沖縄って色々な意味で映像になる、というか、文化的にも、歴史的にも、社会的にも話題性があるんだと思う。
それはいいことなのか、どうなのか、分からない。
そこには大和が経験する事のなかった、痛みや哀しみも存在しているから、、、
美しく、青い空、海だけじゃない。
優しい笑顔のおばーだけじゃない。
『癒しの島』なんかじゃない沖縄。
それでも、歌い、踊り、祈る島人。
越境する島唄。
そしてやっぱり美しい青い空、海。
本当に沢山の沖縄を観た、改めてみた、って感じの3日間だったよ。
そして、それらが沖縄ではなく、大和で上映された事に意味があるとも思った。