週刊「ナビィ、の部屋」第38号
タヒチ編2

あんな美しい島で、タヒチの人達が、彼ららしいスタイルで生きてるとは、うちには感じられなかった。
だいたいタヒチニアンレストランが、全然ないんだよね。
手軽に食べれるのは、フランスパンのサンドイッチや、ハンバーガーや、ワッフル、クレープとか、あとは華僑が多いから中華くらい、、、
みんな家で作って食べてるのかも知れないけど、
でも、どんな国でもさ、大体その国や島の人が一番好んで食べるものが主体のレストランや、屋台があるものじゃない?
無いわけさ!!見つけられなかっただけかもしれないけど、、、
市場でやっとお弁当で見つけたけど、沖縄やバリみたいな、地元食バリバリじゃーなかったなぁ

そんなのタヒチ人が手軽に楽しめないじゃないよねぇ。
食べる事ひとつに於いてもそんなんだから、選挙だの土地の所有の権利だの、就職の自由だの、教育だの、経済だの流通だの、、、、当たり前の生活全部そんな調子らしい、、、、
タヒチ人がフランス語しゃべってんのも、何か違和感あったし、すざましく物価高いし。
わざわざ、あんなに離れた島まで行って、「ここはおれのものだい!!」って言わなきゃーいけない程、フランスって貧しいのかしら、、、、

『アメリカのイラク攻撃を止めよう』って主旨のピースコンサートで、フランスはいの一番に反対してたんだから、きっと夕暮れの公園とかで気持ちよくコンサート出来るんじゃーないか?って、とっても期待してたのに、、、
ピースボートのフランス人スタッフ、ロアが先乗りして警察に申請、交渉しに何度も行ったらしいんだけど、しまいには、「もしコンサートやったら観光客でも逮捕、拘留する」っていわれて断念した。
ロアの見解では、タヒチに観光に来た人達に、フランスが核実験をして、しかも被爆した人がいるって事がおおやけになる事、「イラクとは、話し合いや平和的な解決の方法を選ぶべきだ」っていかにも平和主義国家みたいな事を言ってて、実はタヒチでこんなことしてます、って事が嫌でも、観光客にバレちゃうわけじゃない?
それが、嫌だったんじゃーないか?って事だった。本当だとしたら、すげー理由じゃない??
初めて訪れた南米チリからタヒチを旅して、つくづく『先進国』って何が『先進なの?』って思ったわ。
どんなものさしで計って『先進』って決めるんだろ?????
どんな国にも民族にも、良さも悪さもあるし、先進的なモノの見方、暮らし方もあれば、それぞれに誇れる文化があるんじゃーないか?と思う。それはさ、ひとつのものさしでは計れないのにね。

ガビはうち達と入れ代わりで船に乗るので、その準備で忙しかったらしく、世話出来ないっていうので、奥さんが日本人でタヒチニアンダンスの先生っていう友達家族に会わせてくれた。
それはそれは、素敵な家族でねぇ、、、、
だんなさんがギター弾いて、歌って、奥さんが振り付けして踊って、時々娘さんも参加して、、、、、
ひかりと風がいっぱい入る部屋でコーヒー飲みながらお話をした。
タヒチは『タヒチヌイ(大きいタヒチ)』と『タヒチイティ(小さいタヒチ)』と2つの島で出来ていて、彼ら家族はタヒチイティの森の中の一軒家で生活してた。
うまく言えないけど、タヒチの豊かな恵みを受けて暮らしてる感じがした。

「私達、もう何千年もここで暮らしてます」みたいな根の張り様だったなぁ、、、タヒチの旅で一番印象に残ったものは、彼らの笑顔だった。
どんな風に生きてもいいんだよ、きっと何が幸せか分かっていればさ、、
何が幸せか?豊かさか?って事を計るものさしは、自分の中に在る、って事をちゃんと思い出せる人でいたいな、と思うのです。
船内で話しした若い人達が『南米に行って、貧しい=不幸って事ではないって事がよく分かった』って言ってるを聞いて、本当にそうだよねぇ、、と改めて思ったし、10代のうちに、そういう事が知れて良かったよね、とも思った。