Archive for 2003年04月

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週刊「ナビィ、の部屋」第34号

チリ編 DOS



ミサの後アリシアと。ミサはとても素敵だった。神様を想う気持ち、行為はどんな宗教でも美しいと思う
 2日目の夕方、教会の中を見たくてうろうろしてたうち達に声をかけてくれたアリシアって女性と20分くらいかけて遠くの教会まで歩いた。
 ちょうどミサをやってた教会に入れてもらった。

 クリスチャンでもないうち達に、これからの旅に神の御加護があるように、と言って『キリストの肉』といわれるミルク味の御菓子を司祭様からいただける様にしてくれた。
 それを頂いたら、うちは素直に「自分の中に神様の一部が入ったから、これからはキリストも守ってくれるハズ」って思えた。
 そうアリシアに伝えたら、彼女は力いっぱい抱きしめてくれて、キスをしてくれた。
 「別にあなたが信者じゃなくてもいい、神様に守られてると、そう思った事がとても嬉しい」って言ってた。
 『神様はみんなのもの』そう思ってるのかもしれない。

有名人、要人のお墓。家じゃーないよ
 チリ3日目はピースボートの乗船者達とオプショナルツアーに参加して、要人、有名人が葬られてる墓地と、一般市民の墓地見学と、『ビクトル.ハラ財団』を訊ねた。
 チリは、かって軍事政権に措かれ、政府と相容れない思想の持ち主、表現活動をしている人達がことごとく、スパイ、政治犯として、誘拐され虐殺された。
 一般市民の墓地には、やはり政治犯として殺された『ビクトル.ハラ』のお墓もあった。

 日本でも『平和に生きる権利』といううたが、チリの軍事政権打倒を支持する人々から広がり始め、ちょっとしたヒットになったらしい。
 うちはソウルフラワーユニオンのライブで知ったけど、、、、
 いい歌だよ。少しフォルクローレの匂いを感じるし、歌詞もめちゃくちゃいいよ。
 ソウルの中川氏の訳もとても素敵だ。

一般市民のお墓 写真左2列目上から2つ目が『ビクトル.ハラ』のお墓。要人の墓に比べて、色とりどりのお花が添えられ、市民墓地の方が美しいと思った
 一般市民墓地を見学した後、軍事政権下で誘拐されたり、殺されたりした被害者家族の会の人達のお話を聞いた。
 墓地の入り口に大きな石碑があってそこに被害者の名前と被害にあった年齢が彫られている、その前でお話を聞いた。

 フィリピンであったQTやパレスチナのラミの事を思い出した。
 人は生まれる国や年代は選べない。
 幸せに生きる、そのために生まれてくれはずなのに、
 生まれた国、年代が違うという、ただそれだけの事で何故この様に生きる境遇が違ってしまうのだろう。
 その事実を、どうやって受け止めろと言うんだろう?
 うちはかなりつらくなってきて、泣いてしまった。
 泣いて、止まらなくなった時、ガブリエラという被害者の会の女性が抱きしめてくれた。
 ただ、何も言わず抱きしめてくれた。

 彼女たちはこの石碑をもっと意味もあるものにするために動いている。
 『チレーノは軍事政権という最悪の政権下で沢山の被害者を出した。私達は軍事政権だけでなく、人々が平和に生きる権利をはく奪するあらゆる行為を許す事はしない、恒久平和の誓いとしてこの石碑をもっと意味のあるものに作り直したい。だから、やらなければならない事は沢山あります。まず、平和の象徴として、石碑の間を水が流れる様に、と計画しているんです』
 うちを抱きしめ、そう話しをしてくれたガブリエラは末期癌だ。

 ガブリエラには末期癌とは思えない穏やかなムードが漂っている。
 別れ際、うちは彼女の手を握って『必ずまた会いましょう』と言うのが精一杯だった。
 彼女は『早いうちに実現しないとね』と言って笑って手を握ってくれた。
 誰よりも『死』を感じているのは、彼女自身なのだと思う。


『ビクトル.ハラ』財団にて、優しい顔だ
 昼食後『ビクトル.ハラ財団』へ向かった。
 生前のライブの映像や、写真を見、彼の語った言葉や、殺された時、遺体を引き取りにいった奥さんのお話しを聞いた。

 ビデオで観た、ギタ−を弾きながら歌うハラはキラキラしていて、妖精でも飛んでいるかの様だった。
 「優しい」という事は、本当はものすごく損な事なのだろうか?
 何故殺されなければならなかったというのか?
 彼の遺体は両方の手首が切り落とされていたそうだ。
 「2度とギターを弾けない様に」と、、、、


 平和でなければうたさえも歌えない。
 歌でさえもだ。

 歌っても、踊っても、殺されない今のこの境遇、
 この『平和』をもう一度、噛み締めなくてはいけない。

 要人のお墓を案内してくれた墓守りのおじぃが話してくれた言葉の中に、軍事クーデターによって殺されたアジェンデ大統領が、自身が殺されると分かって、チリ国民に遺した言葉を教えてくれた。
 この通りの言葉ではなかったかもしれないけど、
 『チリの人々よ、今は欺瞞に満ち、誰を、何を信じていいのか分からない状況になっているが、決して嘆かず、あきらめず、そして死なないで下さい。新しい道は必ず開かれる。その道を歩き始める事は必ず出来る。そしてその道を歩き始めた時、チリの新しい歴史は始るのだ。だから、嘆かず、諦めず、生きて下さい』
 すごい言葉だと思う。自分が殺されると知っていて、こんな言葉中々出ないよ。
 彼は本当にチリを愛していたんだね。

 チリの人々の優しさや、今の穏やかそうに見える暮らし振りや平和は、彼らが自分達自身の手でつかみ取り、培ったものだと思う。
 そして、そんなしなやかな自信が、彼らには在る様に思えた。もっとチリにいたいな、、、そう思った。

バルパライソにて。カフェの前の『チェ.ゲバラ』今でも英雄なのかも
 サンチャゴを後にして、船の停泊する港町バルパライソへ。
 移動の際、いろいろトラブルが発生して、本当はここで2時間くらい散策出来るはずだったんだけど、結局40分もない状況になり、晩ご飯を買うために港の近くを歩いた。

 普通のカフェの窓にゲバラの肖像画が飾ってあった。
 チリにもゲバラの支援者が沢山いたらしい。
 中南米全土に広がった軍事政権と、それと戦う人達のネットワークが、同じ様に広がっていた事を物語ってると思った。
 そして、その恐怖政治の中で傷付いた人達の心も、実はまだ癒されてはいないのかもしれないとも思った。

   

週刊「ナビィ、の部屋」第33号

チリ編 UNO



全然『週刊』じゃーないね、、これ、、、
 『気紛れナビィの部屋』とかにタイトル変えようかなぁ、、、、

 さてさて、御存じうち達、寿[kotobuki]はピースボートに乗って旅しました。
 2月9日に成田を発って、3月3日に帰国しました。
 ほぼひと月近い旅でした。

アトランタの空港にて、にーにーぐったり。

 チリ、サンチャゴまで飛行機で行き、バルパライソで船に合流。
 しかし、ここまでの旅が、、、、、
 長かった、、、、、
 直行便はないので、先ずアメリカ、アトランタまで、14時間かけて行きトランジットで7時間。
 なぁ〜にもない空港でさ、ヒマで、ヒマで、、、眠たいし、キツかったわー
 頼んだサラダは、すっぱいし、量は多いしで、かなり苦行のようでした。
 そこからサンチャゴまで9時間。合計30時間の旅。そりゃーもうぐったりさ。

 でも、サンチャゴに着く前に機内でものすごい美しい朝焼けをみて、目が合うと目配せして「ほらほら、ものすごく空がきれいだよ」みたいに、皆で見た。
 ホントきれいだったし、その皆が気持ちがひとつ、っていうかさ、同じ美しいものを
 皆で喜んで愛でてるその状況が良かったなぁ。

 チリはとっても良かった。
 人が穏やかで、街のムードも穏やかで良かったよ。

 初日は、翌日にライブをする『日本チリ友好会館』の下見とリハーサル。
 チリのPA(音響)オペレーターは、初めて日本の、しかも沖縄のナマ楽器を見てすんげぇぇぇぇぇぇーはりきってた。
 今まで外国でやって、一番やりやすかったのはフィリピンなんだけど、
 その次ぎくらいにやりやすかったなぁ〜
 写真撮ってないのが残念だけど、ライブも面白かったよ。
 『ミーミンメー』とか一応スペイン語で通訳してもらったけど、多分あんまり意味分かってないと思うんだけど、みんな一生懸命やってた。

日本だっちゅーのに、何故かパンダ、、、、捕獲するにーにー
ライブのあと、PAオペレーターの人が「あなたはとても神秘的な人だ」とうちに言ってくれて、でも「神秘的」ってどういう意味で言ってるのかな???
 よくは分からなかったけど、誉めてくれた事には間違いないらしく、嬉しかった。
 「また一緒に仕事したい」って言ってくれたよ。

ブエノスアイレス生まれ沖縄2世の知花さんと娘(嫁)さんとそして沖縄4世チリ生まれみさきちゃん(生後4ヶ月)
 サンチャゴ大学で日本語を学んでる学生との交流会の中でのライブだったんだけど、ライブの後『あなたは沖縄ですね?』と話し掛けて来た中年女性がいて、もしや??と思って『あなたはうちなんちゅーですか?』って聞いたら、ズバリ。ブエノスアイレス生まれの2世。
 知花さんと言うこの女性は息子さんが、チリで仕事をしてて、そこで出会ったこの大学の日本語学科の先生と結婚し、子供が生まれたので、ブエノスからたまたまやって来て、交流会があるというのでやって来たのだった。

 チリは他の南米に比べて移民が少なかった国で、成田でチェックインしてる時も、ボリビア、ペルー、アルゼンチンに向かう『金城さん』だの『比嘉さん』だのけっこういたのに、チリに向かう人は全然見なかった。
 アトランタについてからも、そうだったし、、、
 だから、「きっとうちなんちゅーには会えないだろうね、」なんて話してたからびっくりの出会いでした。
 知花さんもびっくりだったみたいだけど、、、、、

何も言わず、うちに1億円貸してくれ!!アニータ!!
初日、2日目はサンチャゴで過ごした。
 MTVでみた、アーティストのCDを買いにCD屋さんへ、
 アニ−タ発見!!顔でかいなぁ、、、、
 コロンビア、メキシコ、他中南米やスペインのアーティストも国内アーティストと同様に売られてる。
 スペインの『ROSARIO』とチリの『NICOLE』を購入。ROSARIOはかなりお気に入り。

 その後、ごはんを食べにレストランへ。
 チリはなんでも美味しかった。特に『セビーチェ』っていう、ナマ魚とレモンと香菜を合えたマリネの様なもの。美味なり!!
 あと、チーズもパンも美味しかったなぁ〜
 あ〜〜〜〜〜ん、また行きたい〜〜〜〜って結局食べ物かい???