Archive for 1999年07月

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ナビィのオススメ映画

「ファーザーレス(Father Less)父なき時代」
 皆様がんじゅーですか? 今日ナビィは「ファーザーレス(Father Less)父なき時代」というドキュメンタリー映画を観て来ました。とてもいい映画でした。

 自分の生まれて来た意味、生きる意味、目的を見い出そうとする時、それと向き合う時、家族というのは大きな鍵だなぁ、、、とつくづく思いました。

 主人公は映画学校の友人達とカメラを持って自分の家族の中に入り、離婚した両親、義父、兄、彼女、伯母に問いかけ続けます。「自分はどうしてこうなっちゃったんだーーーー?」

 その問いかけは義父、母のルーツを知ることになり、一人の人間としての「生きる」ということの「淋しさ、哀しさ、苦しさ」を知ることになり、一人の男、一人の女としての人生を想い至らせることになるのでした。

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 冒頭のシーンで主人公の彼が夜な夜な見ず知らずの中年のオヤジにむさぼり尽くす様に抱かれるシーンや自身の体をナイフで切り刻むシーンでいかに彼が長い間世の中に対して「もう殺してくれ」と叫び続けていたかが解るのですが、それと同じ位長い間心の奥底で「愛」を求め続けていたのかということが全編を通して伝わって来ます。

 「愛」を求めるが故に自身の家族のタブーをカメラの前にさらす、暴挙に出たんだなあ・・・と思いましたが、本当のとこは彼らに直接聞いたわけではないので解らないのですが・・・その暴挙のお陰で実父、母、義父までもが癒されていった様に感じました。

 もちろんこの映画は半年とかもしかするともっと長い時間かけて撮っているのでしょうから、彼が生み出した大きな波の余波が少しずつ家族の中で流れ、暖まった結果なのだろうと思います。愛があふれてます。

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 人間として、男として、女として、「生きる」ということ喜びと倖せばかりでない人生と「乗り越える」という姿をまざまざと親に見せて欲しくて子供は色々な行動を起こしてみせるのかもしれません。

 そして子供がその様な行動を起こした時、この映画の様に向き合えない親も沢山いるのでしょう。(自分だって親になってみなきゃ判りませんね・・)

 ただひたすらに誠実に受け止めていた親達に本当に心を打たれました。お母さんが泣いている主人公を抱きしめて「これからだよ。不幸だった分を取り戻すんだよ」と語りかけるシーンに「何か」を乗り越えた女性の強さを見ました。

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 7月中は渋谷のユーロスペースで上映中です。何処かでこのタイトルを見かけたら是非観て下さい。いい映画です。