秋のお薦め本
(2009.10.09 日々のつぶやき)
台風、相当でかかった様ですけど、皆様大丈夫ですか〜?
阿佐ヶ谷周辺は夜中は大雨、午前中は強風でしたけど、自転車乗れるくらいだったので大したことなかったんだはず。
久しぶりにお薦め本です。
うちのブログなんかで紹介したからってそうそう売れたりしないと思うが「ブログで紹介して下さいな〜」と本を下さる方が最近おりんすよ〜
扶桑社のKさんからもこの本が送られて来ました。沖縄繋がりという事でしょうかね〜?

西表やまねこ診療所
岡田豊 著 扶桑社
この本を書かれた岡田さんは、大学病院の外科医として忙しい日々を送りつつも違和感を感じ「もっと患者に近い医療現場で働きたい」と望む様になり、そこで選んだのが「へき地の診療所で働く」という事だった。
職場を探してめでたく西表島の診療所に勤務となった。
大学病院の様な高度医療中心の職場なら必ずあるであろう医療設備もなけりゃ〜、どうにかある設備も台風で停電になったら使えない、そんな職場で、しかも外科医一筋でやって来た岡田さんの患者は、老若男女、島人から観光客。
急性アル中から脳卒中から、虫さされまで、誰が何時、どんな状況でやって来るかわからない。
専門分野一筋でやって来た人が、突然、総合医として働くっていうのは、それはものすごく勇気のいる転職だと思うし、この1冊の本の中には書き切れない経験や想いもあると思う。
「患者に近い現場」という理想郷にたどり着いたけれども、そこには「ここでは治療は不可能」というへき地診療所の現実と、日本の現代医療の闇の様なものにぶち当たってもいて、その時の葛藤や無力感などはここに書かれている言葉だけではないであろうな〜と想像する。
そんな8年の格闘と島の人達との交流の日々が、まるで風が吹くかの様にさら〜〜〜っと書いてある。
魅力的な一冊でした。
今の日本は昔だったら死ぬしかない病気も医療技術発達のお陰で延命が出来る様になり、でも、そのお陰で、難病を抱えたまま生きる事を余儀なくされたり、後遺症や合併症など、病気を複雑にしているし、それとは別に化学物質過敏症や太陽の光に対する過敏症など普通に暮らす事が困難な人もいたりして、どんどん高度医療が必要な社会になっていると思う。
確かにそれは必要だとは思うんだけど、それ以上に必要なのは「安心して診てもらえる」という事の様な気がする。
この西表島の様に沖縄や各地方の離島やへき地には、高度医療を必要としていても受けられない人は沢山いるはずだし、沖縄の場合は那覇に行けば治療が受けれるんだろうけれども、それに伴う金銭や身体のリスクは大きいから、離島だろうがへき地だろうが都会だろうが、そういう医療を必要としている人がいつでも受けられる様な制度は必要だと思う。
でも、「病気になっても安心して診てもらえる人が傍にいる」と思える事も必要な事なんじゃないかと思う。
岡田さんの場合、元々素養があったのかもしれないけれど、「安心して診てもらえる人=岡田医師」と島人に思われる様な医者になったのは、やっぱりこの『やまねこ診療所』の環境と島人が彼をその様な医者に育てたんじゃないかと思う。
高度医療が充実している環境作りも重要だと思うけれど、そのような人材の育成、医療従事者の教育も本当に重要な課題だと思う。
どうでもいい話だけど、うちが男に生まれたらやってみたかった事のひとつ「棒術」など島の芸能を散々学べてる事がうらやますぃ〜〜〜〜〜〜
チベットチベット
金昇龍(キム・スンヨン)著 河出書房新社


前[P.1/2]
前:サクサク仕上がって行きまする〜
次:息子部長de作戦会議
🏠 📧
(C)2022 寿[kotobuki]