秋のお薦め本
(2009.10.09 日々のつぶやき)
寿[kotobuki]の結成25周年記念のライブDVDの映像監督、スンヨンの書いた本です。
身内を誉めて、最終的にDVDの宣伝なんじゃ〜ないのぉ?と思われたらシャクだが、いい本と思うのでお薦めします。
元々この「チベットチベット」は映画になってて、その映画とリンクした書き下ろしの本なんだけど、映画だけでは感じられないスンヨン「素」が色んな意味で感じられて、彼を知ってる者としては面白かったけれど、知らない人でも充分目からウロコが飛び出る様な本なんじゃないかと思う。
内容がバレたらつまんないので細々とは書きませんが、チベットの現状を撮影するための2年間の放浪の旅の最後に彼が「在日韓国人でいる事をゆっくり味わおう」と思うに至った変容ぶりや、そうなるまでの過程や人との出会い、感情の振幅など、民族とか国家を越えて「人はどう生きたらいいのか?」という問いにひたすら全力で向き合ってる感じが、いろんな人にとっていい刺激になる本なんじゃないかと思う。
この本を出版する事や映画制作を通して彼が願っている事は「チベット民族と国家の存続」なので、
チベットの現状や、人々の想いは丁寧に書かれているし、チベット人に寄り添おうする彼の行動が書かれている事で、例えば亡命するチベット人がいかに死ぬ思いで決行しているのかが良くわかるとか、など、チベットの問題を書いた本としても、とてもいい本だと思う。
うちも、彼の様に自分の身体でチベットを知ってるわけではないが望んでいる事は同じだし、それは中国人だけが意識が変わればいいのではなく、中国を取り巻いてる世界が変わらなければと思うので、先ず、知って感じて、自分の出来る行動を長く続ける人達が増えて行くためにも、多くの人に読んで欲しい一冊です。
そして、もちろん色んな感情を持った在日がいると思うけれど、「こんな風に感じて暮らしているんだ」って事を知れる本でもあります。
色んな事を言う人もいますけど、現状は在日韓国、朝鮮人をはじめとする多くの「日本人以外」の人達が暮らしていいるのが事実で、その人達の語る日本も「日本の姿」
だから、日本人として彼らがどう日本を感じているかを知る事はとても大切な事だと思うので、この切り口からも読んで欲しい一冊。
お断りしておきますけど、誹謗中傷したりする言葉は全然ありませんので。
念のため。
そして、やっぱりこの本で一番「!!」だったのは、放浪の旅のはじまりと終わりに訪れた彼の故郷「韓国」でのエピソードだ。
大爆笑!!!
言葉で語られていないし、うちの勝手な思い込みだけど「オレって韓国人で良かったな〜」って思ってる気がする。
そんな感じがするから、すごくこの行が好きなんだと思うな。
なんていうか、大爆笑だから好きなわけじゃなくて、何か「希望」を感じるんだよね。
この間、スンヨン家族とソウルを歩いている時、スンヨン息子がスンヨン妻に手をひかれ、よちよちしてる姿を見て「ここは君の祖国だよ〜」って言葉が出て来て、自分の言葉に何故かすごく胸が熱くなって泣きそうになった。
その理由は全然、その時は解らなかったけど、この本に感じる「希望」をスンヨン息子に感じたんだと思う。
チベットの問題は大きい。
でも、人は必ず変われるし、人が変われば、選ぶものも変わり、社会も変わる。
そういう意味では人が生きているという事が「希望」であり、全ての「種」なんだと思う。
この2冊に共通しているのは「変容」
変容する男達とでもいいましょうか?
自分の身体を通して社会や世界の闇を知り、そこに関わる事で自身が変わり、多くの人を巻き込んでいるという点で二人の人生はとても似ていると思う。
そして、やっぱり、人は誰しも「やるべき事」があり、それは多分、「やりたい事」なんだろうな〜と思う。
うちも今、大きな夢がぽわん〜と膨らんでます。
その事を考えると、何やら目がキラリ〜ンとして来ます。
また、この夢に関しては書きますね〜
多くの人の協力が必要なので〜
フヒヒ〜
てなわけで、秋の夜長、「変容する男達、その自身の人生に対する愛と信頼」に関する(?)2冊の本。
読んでみて下さいね〜
[End]
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