週刊「ナビィ、の部屋」第34号
(2003.04.28 日々のつぶやき)
何故殺されなければならなかったというのか?
彼の遺体は両方の手首が切り落とされていたそうだ。
「2度とギターを弾けない様に」と、、、、
平和でなければうたさえも歌えない。
歌でさえもだ。
歌っても、踊っても、殺されない今のこの境遇、
この『平和』をもう一度、噛み締めなくてはいけない。
要人のお墓を案内してくれた墓守りのおじぃが話してくれた言葉の中に、軍事クーデターによって殺されたアジェンデ大統領が、自身が殺されると分かって、チリ国民に遺した言葉を教えてくれた。
この通りの言葉ではなかったかもしれないけど、
『チリの人々よ、今は欺瞞に満ち、誰を、何を信じていいのか分からない状況になっているが、決して嘆かず、あきらめず、そして死なないで下さい。新しい道は必ず開かれる。その道を歩き始める事は必ず出来る。そしてその道を歩き始めた時、チリの新しい歴史は始るのだ。だから、嘆かず、諦めず、生きて下さい』
すごい言葉だと思う。自分が殺されると知っていて、こんな言葉中々出ないよ。
彼は本当にチリを愛していたんだね。
チリの人々の優しさや、今の穏やかそうに見える暮らし振りや平和は、彼らが自分達自身の手でつかみ取り、培ったものだと思う。
そして、そんなしなやかな自信が、彼らには在る様に思えた。もっとチリにいたいな、、、そう思った。

サンチャゴを後にして、船の停泊する港町バルパライソへ。
移動の際、いろいろトラブルが発生して、本当はここで2時間くらい散策出来るはずだったんだけど、結局40分もない状況になり、晩ご飯を買うために港の近くを歩いた。
普通のカフェの窓にゲバラの肖像画が飾ってあった。
チリにもゲバラの支援者が沢山いたらしい。
中南米全土に広がった軍事政権と、それと戦う人達のネットワークが、同じ様に広がっていた事を物語ってると思った。
そして、その恐怖政治の中で傷付いた人達の心も、実はまだ癒されてはいないのかもしれないとも思った。


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