第61号 『恩師との共演の巻き〜〜〜』
(2005.07.15 日々のつぶやき)
5月3日 静岡県は袋井市にあります『円通寺』というお寺さんでライブをやって来ました。
ここは、中学時代のブラスバンド部の顧問で、うちを音楽への道まっしぐらに導いた恩師
田中先生の御実家なのでした。

円通寺さんのお庭から見える本堂。ツツジが愛らしい。
先生は広島で教員になり、お寺は継がなかったんだけど
檀家さんとお寺の親睦を深めつつ、コンサートを開く事で檀家さん以外の人をお寺に集め、そんな人達と檀家さんとの出会いをつなぎ、仏様と共に音楽や芸能に触れる、そんな法要を、
と7年前からコンサートを開いていて、今年のゲストに寿[kotobuki]を招いて下さったのでした。
去年、うちの生まれ島「熊野町」でのコンサートを見に来てくれた田中先生は、色々感じた事をメールで送ったくれた。
それは、うちがミュージシャンとして充実した日々を送っている事を、本当に喜んでくれているものだった。
そして、いつか一緒に共演出来たら、と書いてあった。

恩師と恩師妻との記念すべき写真。
ナビィ観音は勢い余ってスパッツ見せてます。
うちが最初に習った楽器はエレクトーンだった。
けど、うちはなんとなくエレクトーンっていう楽器が好きになれなかった。
中学に入ってブラスバンド部に入部して、これはも〜夢中になった。
その時わかったけど、エレクトーンはひとつの楽器の中にベースがあって、リズムボックスがあって、
コードを弾いてメロディーを弾いて、って全部一人で完成させる事ができる楽器だし、そういう風にアレンジが出来上がってるものだけど、
うちは「みんなでひとつの音楽を作る」事の方が興味があるし、好きなんだ。
それは今も同じで、何度かひとりでうたった事があるけど、やっぱり面白いとは思えない。
八重山、沖縄の民謡はひとりで三線弾いて唄うっていう音楽で、それはそれで成立、確立しているものだし、
その面白さは必ずあると思うんだけど、うちはまだそれを感じられない。
自分の声と人の音、声が重なって、音楽になってゆく事が面白いし、楽しい。
リハーサルでうまく行った事が本番ではうまくいかなかったりする事もあるけれど
その逆もあって、リハーサルでは誰もやった事ない事が、突然本番で生まれ、それがどういうわけで、誰の仕業でそうなるのかわからないけど、あたかも初めからそう決まっていたかの様になり、ちゃんと着地する。
そんな経験を何度もしてたら、そりゃ〜その方がスリリングで面白いよね。
昔から、ひとりよりも皆で奏でる事の方が自分は好きなんだ、と感じてはいたわけだけど、
今の様な多くの他人と演奏するから得られる快感やおもしろさを味わえるほど、残念ながら当時の熊野中学校ブラスバンド部は上手くはなかった。
クラリネットの第一パートと第四パートは一拍くらい平気でズレるし、トロンボーンの3人はチューニングズレてるし、、、、、
とても皆同じ音楽を演奏しているとは思えない、今思い返してもひどかった、、、、
ひどかった事は間違いないが、それでも皆で演奏する事は楽しかった。
うちが中学3年の時、高校受験も控えて、たいていの人は部活から足を洗い(?)勉学に勤しみはじめる頃
田中先生が赴任して来て、ブラスバンドの顧問になった。
先生はこのだやだや〜してる部員どもに厳しかった。
厳しいと言っても、決してヒステリックではなかったし、むしろ面白かった。
注意される事すら面白かった。
うち達は初めてしごかれ「皆で奏でる喜び」を味わう様になり、3年生もなかなか辞める人はいなかった様に思う。
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