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バリの日々 踊り修行の巻き



3月26日から4月18日までバリにまたまた踊り修行に行きました。
今回は男踊りの基本を学ぶために『バリス』というバリの少年が最初に習う踊りを習ってきました。
本当は一年くらい滞在して習いたいんですけど、そういうわけにもいかず、3週間で基本なんか身に付くわきゃ〜ないんですけど、とにかく、バリの空気の中で、バリ人から習ってみようと思って行きました。
これが『バリス』う〜〜〜〜ん、40歳から始める踊りじゃ〜ないはず、、、、、、

去年芸術祭に参加した時にお世話になった「バパ.イ.マデ.ブカル」に習いました。
バパっていうのは目上の男性に対する敬称で氏みたいなもんかな?
バパはウブドからデンパサールの方に少し戻った『バトゥアン』という村の生まれで、ガンブーというバリ歌舞劇と仮面の踊り手で、そして画家でもあります。
バパ ちょっとドリフのいかりやっぽい???ひゃ〜すいません

バパのレッスンはすごく楽しくって発見の連続でおもしろかったんだけど、すごいびっくりする事もたくさんありました。
例えばバリスは男踊りでしょ?だから「自分が女だって事とか忘れて自分が世界で一番かっこいい男だって思って立て」とか
目をかっと開いた後にふっと笑うところとか、「なんて美しい女の子がいるんだ!!」とか本当にいいもの、素敵なものを見つけて、その嬉しい心が思わず外側に現れて来る感じを大事にしなさいとか、、、、
それってでも、すんげ〜〜〜〜〜〜難しい。
そして、「これって今人生で最大に表現してますぅうううう」って思ってもバパは「足りない」って言うんだよね〜
どうすりゃ〜いいんだ!!
でも、今までで、こんな事を注意してここまでしつこくいい続ける先生に出会った事がなかったので驚きでした。
やってもやっても「足らない」って言われるので「本当に自分がバカなんじゃないか?」と思って半分ノイローゼになりそうな時もあったけど、それでも言われるままにやり続けて何かがスカっとはまって出来た時のバパの本当に嬉しそうな顔を見た時はうちも嬉しくて泣きそうになりましたし、「バパもっと教えて〜〜〜〜〜〜」と思ってました。
懲りない人だね〜あたいも、、、

うちとしてはバパの手の動きの美しさを足の運びのすごさをなんとか真似したいし、基本を体に入れて、振りを体に入れて、『表現』はその後、って思ってたんだけど、バパに言わせれば「表現」も基本のひとつって事なんだね〜
でも、よく考えると『うた』だってそうだなぁ〜と。
うちが「う〜〜〜〜〜ん、、わからんなぁ〜」って顔してると「ナビィ、うたを歌う事も同じだろう?」って言ってなぁ〜
稽古中のバパ

「『ここは気持ちがいい』って思うところは、体が軽くなって思いが飛ぶ様な感じがするだろう?踊る時も同じだよ。」
これは、今回言われた言葉の中で一番好きというか、あぁ本当にそうだな〜と納得した言葉。

「踊る事は喜び」
去年初めて会った時も、私たちの踊りからはそれが感じられないってバパは繰り返し言ってた。
「お面の内側から微笑みがこぼれる様に踊るにはどうしたらいいのか?を研究してください」とも言われた。
今回、バリ人が踊るのを観て、「本当にこの人たちって踊る事が大好きで大好きで仕方ないんだな〜」って改めて思った。
バリ人の様に踊れる事はなくても、その心が外側に現れている踊り手になりたいな〜と心底思いました。
でも、うちは沖縄民謡だって八重山民謡だって、放棄したわけじゃないし、最大限努力を続けるけど、島人の様には歌える様にはならないだろうと思うし、やっぱりうちがうたう島唄よりも島人が歌う島唄の方が説得力があるのは当たり前だし。
でも、「この謡を歌う事が喜び」って事を大事にその想いが伝わる人になりたいって思ってやり続けているからさ。
バリ舞踊も同じ。
そんな風に踊り続けたい。
だから、バパの様な人に自分から出会ったんだね、と思いました。
本当にいい先生です、バパ。

毎日稽古に行くと、バパはイブ(奥さん、お母さんの敬称)と双子のお孫さんと一緒にお庭にあるお寺に拝みをしています。
お花とお香の甘い香しい香りの中でいれてもらった甘いコーヒーを飲みながらその光景を眺めてました。
そんな風に稽古は始まって、そして、終わったら毎日の様に水浴びさせてもらってから、お昼ご飯を食べさせてもらってました。

バリは今ではガスコンロのお家も増えたけど、かまどを使ってるお家もたくさんあってバパのお家ももうもうとした中で料理をしていました。
料理をするイブ

まさに、沖縄民謡『ちんぬくじゅーしー』の世界です。
「あんまーたむのー煙とんど〜 煙しぬ煙さぬ涙そーそー よいしーよいしー泣くなよー今日ぬ夕飯何やがて?ちんちんちんぬくじゅーしーめ」
この写真を撮った最後の稽古の日は、夜に大きなお祭りがあってそのためにものすごく大量のご飯を炊いていたので煙はいつもの何百倍!!
本当に涙そーそーになって写真を撮りました。

バリ人のご飯ってのはけっこう質素というか、おかずが1〜2品くらい。
味が濃いからかおかずは少量。
ご飯を盛ったお皿に乗せる。
それに「サンバル」っていうニンニクや唐辛子、塩、油を和えた漬け物の様なものを混ぜて一緒に食べます。
この「サンバル」は家庭によって少しづつ味が違うんだけど、バパん家のは本当に美味しい!!

この日のおかずは豚肉と豆腐を炊いたもの、辛くて旨い!!

バパの家は、バパの好みで普通の白いご飯と、サツマイモとご飯を一緒に炊いたものの2種類を混ぜて食べてるんだけど、お芋のほのかな甘みが辛い料理に合っててなんとも旨い!!
バリはお店で食べるご飯も美味しいけど、人のお家のご飯がやっぱり一番美味しい!!
毎日幸せでした〜〜〜〜。

そんなこんなで食中毒騒動で様々な人々に心配をかけつつ、厳しいも楽しい、発見いっぱいの日々を過ごして来たのでした〜

つづく

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