寿[kotobuki]公式サイト » » 寿[kotobuki]魂

寿[kotobuki]魂

寿[kotobuki]魂
寿[kotobuki]魂

寿[kotobuki]の栄養満点、ライブレコーディングアルバム。絶賛発売中!

2005年
K-NN0001
¥2,500(税込)







1. ひろげよう
2. ざんざぶろう
3. 白保節〜真謝節
4. 生きること かかわること
5. 屋嘉節
6. ヌチドゥタカラ
7. ひとつ
8. シャローム サラーム
9. 前を向いて歩こう
10. ORION -ボーナストラック-

音楽ライター角野恵津子と寿[kotobuki] ニューアルバム『寿[kotobuki]魂」を語る





 タイトルが『寿[kotobuki]魂』と聞いて、さぞや力を入れて作った、入魂の一作なんだろうなと思った。しかしふたりはあっさりと

「超ラフでした」(ヨシミツ)
「タイトル『超ラフ』でもいいんじゃないかというぐらいラフだった」(ナビィ)

 という。その言葉に最初は肩すかしをくらったような気がしたが、

「今回はすごい寿[kotobuki]のそぎ落としたもの、デコレーションがない、きれいじゃないっていうものが録りたかった」(ナビィ)

 といわれて、合点がいった。
 今回のアルバムはその言葉通り、音的には今までで一番シンプルなものかもしれない。が、ライヴ・アーティストを自認する彼ららしい、彼らが日々歌い続けているそのままの姿が、ここには封じ込められている。
 全10曲のうち数曲は、今回レコーディング・ライヴというスタイルで収録された。それはライヴを収録するのではなく、レコーディングをライヴ形式で行うというもの。つまり、公開レコーディングといえばいいだろう。

「寿[kotobuki]はやっぱりライヴ・バンドだから、ライヴのよさがレコーディングでも出た方がいいなと思ってたのと、もう一個はあのレコーディングで使う上等なマイクが、自分には合わないなあっていうのがあって(笑)」(ナビィ)

 結果はもちろんOK。曲によってはギャラリーの参加を得たものもあり、それもまた寿[kotobuki]の普段のライヴのありのままを留めるものになった。

「すごくよかった。やっぱりオーディエンスがいた方が、自分は簡単に気持ちがエモーショナルに切り替わるから、歌としてすごくいいっていう気がした」(ナビィ)

 このシンプルさの次に今回のアルバムに顕著なのは、オリジナルの部分で、二人の共作やナビィの作詞・作曲が増えたことだ。今まで寿[kotobuki]のオリジナルのほとんどは、ギター&三線のナーグシク・ヨシミツが作ってきていて、それがオリジナルに関しては、寿[kotobuki]のスタイル、テイストを作ってきたといってもいい。が、今回は彼の作詞・作曲はオリジナル全5曲のうち、1曲のみ。

 「2000年に僕がリーダーをやめて、それで新しい寿[kotobuki]になるんじゃないのっていう話をしたんですけど、それからはもうライヴやっていろんなとこ行って、いろんな人に出会ってできた曲とか、ピースボートに乗ってできた曲とか、曲はそこから「生まれるように」できたらいいなと思ってるんで、これからの寿[kotobuki]はそういう曲の作り方でやっていきたいっていう。
だからちょっと自分の中ではクオリティー低いなと思う時もあるけど、いいやみたいな場面が2000年以降すごく多くてね。そこには昔あったこの思いを詞に乗っけて作ってみたいなのはないんですけど、そういう僕個人の考え方で作詞作曲していくっていうのは別でやってるんで、今はこういう感じになってるんじゃないかなと思う」(ヨシミツ)
「多分、共作は増えていくよね。曲がニーニーで詞が私とか。その逆は多分ないような気がするけど。まあ、一緒に作りましょうみたいなものは増えてくるような気がする」(ナビィ)

 そしてそれらの曲は、多くの人との出会いが有形無形の形となって生まれてきたと、彼らはいう。

「ピースボートで、乗ってる人と一緒に作るみたいなのよくやって、できたものをみんなで共有したのはすごく大きい。楽しそうだから、いいじゃん、これでって。」(ヨシミツ)
「これだけの人数が気持ち良さそうにラララって歌うだけで、こんなに歌って気持ちいいものなんだっていうのは、すごい感じたよね。あれはすごい勉強になった」(ナビィ)

 こんな二人のコメントを聴いていると、寿[kotobuki]の魂は、寿[kotobuki]二人だけから生まれるものではなく、二人と空間を共有し、共に歌い笑い、踊り、愛と平和の思いを再確認した人達をも含めたところから、生まれるものなのではないだろうかと思えてくる。そしてそれが新たな寿[kotobuki]の形であり、まさにそれが『寿[kotobuki]魂』なのではないだろうか。

「自分の中でひとつの輪っかの最初か終わりかわかんないけど、そこの地点に来たっていう感じがすごくしてて、これまでの寿[kotobuki]とこれからの寿[kotobuki]の狭間にいる感じがすごくする。寿[kotobuki]はこれからも変わっていくと思う」(ナビィ)

 二人の顔が全面的にジャケットの前面に出たのは、これが初めてだという『寿[kotobuki]魂』。その顔は、とてもきりっとしていて潔い。その潔さで、これからも寿[kotobuki]ならではの懐の深く広い、そして温かい世界を作り出していってほしいと思う。

8月14日(木)横浜『寿町フリーコンサート』 - A-YO
---------------------------------------------